コーヒーを淹れるとき、最初に立ち上がるもの。それが 香りです。
味を口にする前から、私たちはすでにコーヒーを味わっています。
今回は、コーヒーの香りとは何なのかについてお話しします。
■ 香りは、情報の集まり
コーヒーの香りは、ひとつのにおいではありません。焙煎によって生まれ、抽出によって立ち上がる、たくさんの成分が重なり合っています。
甘さを感じる香り。香ばしさを感じる香り。果実や花を思わせる香り。それらが合わさって、「このコーヒーらしさ」をつくっています。
■ 香りは、時間とともに変わる
挽いた瞬間。お湯を注いだとき。カップに注がれた直後。
同じコーヒーでも、時間によって、香りの印象は変わっていきます。
それは、香りが揮発し、次の成分へと移ろっていくから。ひと息ごとに違う表情を見せるのも、コーヒーの楽しさのひとつです。
■ 香りと味は、切り離せない
「香り」と「味」は、別々に感じているようで、実は深く結びついています。
鼻から感じる香りが、口の中での印象を、大きく左右しています。
同じ味でも、香りの感じ方が変わると、印象はまったく違うものになります。
■ 言葉にしなくてもいい
香りを表現する言葉は、たくさんあります。けれど、無理に言葉にする必要はありません。
「好きだな」と思えた。
「落ち着く」と感じた。
それも、立派な香りの受け止め方です。
まとめにかえて
コーヒーの香りは、味を説明するためのものではなく、その時間を豊かにするもの。
深く考えすぎず、ただ感じてみる。それだけで、一杯の印象はぐっと広がります。
コーヒーの香りは、忙しい時間を一度ゆるめてくれます。
カップから立ちのぼる香りにほんの少し足を止める。
その余白も、コーヒーの大切な味わいだと思っています。
