珈琲ノート

コーヒーの基礎知識 精製方法

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コーヒーの精製とは、収穫したコーヒーチェリーから種であるコーヒー豆を取り出し、乾燥させるまでの工程のことです。
精製方法は主に ナチュラル(乾燥式)、ウォッシュド(水洗式)の2種類があります。

この精製工程によってコーヒーの風味が決まるともいわれています。ベースとなる2種類の手法をアレンジすることで無限のバリエーションが生まれ、各農園や生産者グループの個性が表現されるので、お好みのフレーバーがどのような精製方法を経ているのかを辿るのも楽しいかもしれません。

精製方法1: Natural

ナチュラルは、収穫したコーヒーチェリーをそのまま天日で乾かし、乾燥後に皮ごとまとめて脱穀し、タネ(コーヒー生豆)を取り出すシンプルな精製方法です。水を必要としないので、水を引きにくい高山地域でも可能な精製方法です。

果実のまま乾燥させるので独特の発酵がおき、主にベリーのような果実の風味が強くなるのが特徴です。

コーヒーチェリーを丸ごと乾かすので 広い乾燥場所(コンクリートや高床の乾燥棚)を必要とします。また、通気に気をつけないと発酵が進みすぎてしまうので一定時間ごとに転がす作業が必要です。(乾燥期間は10日~30日ほど)

乾燥中に1度でも雨が降ると一気に乾燥が長引いてしまい、発酵が進み過ぎて風味が落ちてしまうので、乾季がはっきりしている地域で行われています。

豆の水分量管理が難しいことなどから、安定して美味しく仕上げるのが難しい方法ですが、うまくいくと感動的な風味になる精製方法です。

エチオピアなどで乾燥に用いる高床の乾燥棚は「アフリカンベッド」と呼ばれています。

精製方法2: Washed

水洗式とも呼ばれる精製方法。すっきり爽やかな味わいが特徴。スペシャルティコーヒーの精製においては最も一般的で、最も品質が安定しやすい精製方法です。

収穫したコーヒーチェリーを水槽に入れ、未熟な実や不純物を取り除きます。水に沈む完熟したチェリーだけを集めることで、より甘さや香りの詰まったコーヒーとなります。

皮むきの工程では、「パルパー」と呼ばれる皮むき機にコーヒーチェリーを入れ、外皮と果肉を取り除きます。残った種の部分には、「ミューシレージ」と呼ばれる、糖分を含む半透明の膜がついており、これを洗い落として乾燥させるのがWashedです。

種を覆うミューシレージは簡単に洗い落とすことができないので、「発酵」を行って取り除きます。半日~1日半ほど水槽につけることで微生物との反応で発酵が進みミューシレージが分解されます。

この発酵の工程は風味を決定づける重要な工程です。豆ごとの個性あるフルーツの風味が生まれ、発酵が不十分だとミューシレージが落ちず風味は単調になり、発酵をし過ぎるとアルコールやビネガーのような鋭い酸味が出てしまいます。また、気温により発酵の進み具合が変わるため豆の状態を見ながら発酵の止め際を判断します。

発酵が終わったコーヒーは、十分に水洗を行いミューシレージを洗い切ることで、透明感あふれる雑味のないコーヒーとなります。洗い終わったコーヒーは水分量が10%台になるまで乾燥させます。

天日乾燥することも機械乾燥することもありますが、果肉が除去されて乾きやすいため、Natural精製より短い 数日~1週間程度で乾燥工程が終わります。

その後「パーチメント」と呼ばれる殻を機械で脱穀することでコーヒー生豆となります。

その他の精製方法
ハニープロセス

別名パルプドナチュラル。Washedと同様の工程を踏み、果肉を取り除いた後ミューシレージを一部残して乾燥させる精製方法です。

ミューシレージを残して乾燥させることで糖分の発酵が起き、徐々に色が黒っぽい色へと変化していきます。この発酵によって、程よい果実の甘い香りが感じられるコーヒーとなり、同時にとろみのある舌触りも備わることが多い精製方法です。
発酵が進むほど色は濃く乾燥し、出来上がったコーヒー豆の色によって、ホワイトハニー、イエローハニー、レッドハニー、ブラックハニーと分類されることもあります。ホワイトハニーほどWashedに近く、ブラックハニーほどNaturalに近い傾向があります。
ハニープロセスも、大量の水を必要としない精製方法のため、ブラジルの山奥などの地域で行われています。

スマトラ式

湿気が多いインドネシア独自の精製方法で、2度乾燥させるのが特徴です。
Washedと同様の工程を踏み、果肉を除去してミューシレージがついた状態で ある程度まで乾燥させます。
完全に乾かない状態でパーチメントを脱穀し、再び乾燥させることで独特の香りや風味が出ます。

当店取り扱い商品の「マンデリン」がこちらの精製方法をとっています。

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